防災士の日記

阪神淡路大震災-体験談 

こんにちわ!
毎度お騒がせの木村です。

先日、ひょんなことから「阪神淡路大震災」で被災した方から、当時の状況などを直接お伺いすることができました。

今回は、そのときにうかがったお話を、皆様にお届けいたします。

お話をしてくださったのは、Iさん。
Iさんは、当時被災状況がもっとも深刻と言われた東灘区にご兄弟とお住まいでした。

「一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。」
その揺れの大きさ、衝撃、そんなものがあまりに大きくてワケが分からず、何が起きたのか、最初の瞬間、分からなかったそうです。

「もう咄嗟に布団かぶりましたよ!布団の上にいたのが幸いでした。」
Iさんの場合、その日はたまたま遠出をする用事があったため、朝早く起きていました。
「地震発生の瞬間は布団の上にいたので、身を守るためと言うより、恐かったから無我夢中で布団をかぶりましたよ。それで、倒れてきた本棚から身を守れました。」

お宅は原形をとどめ、倒壊には至らなかったこともあって、幸いにもIさんのご家族は無事でした。

Iさんにお会いした当日は、お忙しい中でしたので、いくつか重要なことについてお伺いしました。

-地震発生後の部屋って、どんな様子だったんですか?
Iさん:「クローゼットの中のハンガーが飛んでましたよ。
観音開きの家具は全部あいて、中身だけ飛び出してきました。
後、天井からぶら下がってる電灯も外れてすっ飛んでました。自分のほうへ飛んでこなくて良かったですよ。
倒れた家具のガラスが割れて、床はガラスだらけでした。」

-トイレは、すごいことになったって伺いましたが。
Iさん:「トイレは非常に困りますね。あちこちのトイレがあっという間に一杯になってました。
うちは"たまたま"風呂に水があったので、トイレも流せましたけど、あれがなければ大変でしたね。」

-水はどうされてたんですか?
Iさん:「飲み水がなくて困りましたよ。うちはたまたま買置きがあったから、なんとか自衛隊の救援が来るまでは、それでしのぎました。風呂の水は飲めませんからね。」

-食事はどうされたんですか?
Iさん:「食事と水は、一番重要ですよ。それで被害の少ない地域へ買いに行こうと思ったら、車がペシャンコなんですよ。前日に修理から戻ってきたばっかりだったのに。
とりあえず、親のクルマが無事だったのでそれに乗って買出しに行きました。
コンビニでは、皆、(停電でレジが使えないため)自己申告制でお会計してました。すっごい並びましたよ。
壁が余震でボロボロ来る横で並んでました。一定時間にお店に入る人何人て決めて、買うもの選んで、また次の人がお店に入るってルール決めて、やってましたね。」

-避難所は、どんな様子でしたか?
Iさん:「避難所は、その日の夕方に行ったら一杯で、結局入れなかったんですよ。それで、ホテルなんかにも行ったりしました。その後、原形をとどめてた家でなんとか、生活してました。"ああ、1階と2階の間から空が見えるよ"なんて言いながらね。」
「それから、当時は死亡者リストっていうのがあったんですけど、それを見るのが日課でした。
"ああ、あいつの名前無いから大丈夫だ"とか"あ!あった!"とか。でも、ぼうっとしてて、ぜんぜん実感ありませんでした。
あとから、同窓会とかで、来てないけどどうしたのってきくと、震災でって。」

-火災もひどかったようですね。
Iさん:「私もバケツリレーに参加しました。その場で一番若いからってんで、一番前に立ってたんです。一回消えたと思ったら、また燃え始めたんですよ。既に中で人が亡くなってるとは聞きながら、恐いとも言ってられないですからね、夢中でやりました。
消防の人もきてくれるんですけど、消防車に水がないんです。
焼け石に水状態でしたけど、何もしないよりいいじゃないですか。
消防の人も、なんだかとても良くしてくれたんですけど、でも、水がないんです。」

-地震後、どんなことに気をつけるようになりましたか?
Iさん:「とにかく、風呂には水を張っておくようにしてます。入るときに沸かせばいいんですから。
家具類も"もちろん"全て固定しました。今は、棚類は全部腰の高さまででおさめてますよ。高さのある家具は置かなくなりましたね。何かを積み重ねておくっていうのも、しなくなりました。今はCDくらいですね。」

-最後に、これだけはやっておけ!ということがあったら教えて下さい。
Iさん:「絶対!絶対!風呂の水は抜くな!これだけです!」

Iさん:「ほんの少しのことでも、皆がやっていけば、少しずつ変わります。どんどん啓蒙していかなければなりません。」

-本当にありがとうございました!

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今回は、生の声をうかがえて、私も本当に勉強になりました。
Iさんは、きっと思い出すのも辛いでしょうに、明るくお話をしてくださいました。
Iさんのような声を、どんどん広めて、いつか来るであろう大災害で、悲しい目にあう方が一人でも少ないよう、私たちは、日々努力していこう!と気持ちを新たにしました。
みなさんも、今日の日記を読んで、皆さんの中で、何かの変化があれば幸いです。
ありがとうございました。

木村周吾

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